開催報告:2024年度 第1回 医療放射線技術研究会 – 2024.7.6
開催報告:2024年度 第1回 医療放射線技術研究会 「放射線医療分野におけるデータサイエンス」
本会は、放射線物理の医療応用について情報交換することを目的としており、今回のテーマは「放射線医療分野におけるデータサイエンス」とした。
本会はこれまで年2回夏冬の時期で、首都圏の東京都立大で開催していた。開催地を理由に参加できていなかった方々や、新しい分野の研究者・医療人との交流の機会を設けるため、初めて大阪大学で開催した。データサイエンスは、数学/統計学/計算機科学/人工知能(AI)等を横断的に活用して膨大なデータから有益な知見を導き出す学問である。一方で、応用物理学会学術講演会の大分類「放射線」に属する発表では、こういった発表はそれほど多くなかった。そこで放射線分野の特徴的技術であるモンテカルロシミュレーションと、AIを駆使した医療データ・画像処理技術などを結びつけるような議論が出来ないかと考え、それらに焦点を当ててバランスよく情報を収集できるような会を企画した。会前半の3名は主に物理系の先生方、後半の3名は主に医用画像を専門とする先生方にご講演をお願いしてプログラムを構成した。質疑応答では活発な意見交換がなされ、盛会のうちに終了することが出来た。現地参加者は若手・中堅の方が多く、オンライン参加者も担当幹事の面識のある方々の範囲内ではあるが、若手・中堅の方が多い傾向にあった。
【開催日】2024年 7月 6日(土)
【開催形態】現地&オンラインのハイブリッド開催
※質疑は現地優先。オンラインはチャットでのみ質問可
【現地会場】大阪大学医学部保健学科棟(吹田キャンパス)第1講義室
【共 催】
- 応用物理学会放射線分科会医療放射線技術研究会
- 次世代のがんプロフェッショナル養成プラン
「地域に生き未来に繋ぐ高度がん医療人の養成」(大阪大学拠点代表)
大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻「高度医学物理士養成コース」
JBMP認定医学物理教育コース)
【備 考】
- 応用物理学会将来基金からの開催補助有り(2. 中堅・若手会員向け支援事業)
- 現地参加者のみ、医学物理士認定機構の業績評価点の対象として出席証明書を発行(認定番号:JBMP-2024-F-01,認定コード:F1/F2)
【参加者】113名(現地・オンライン・講師・幹事等を含む)
【世話人】
- 西尾禎治(大阪大学), 眞正浄光(東京都立大学),歳藤利行(名古屋市立大学),田久創大(QST量医研), 松本真之介(東京都立大学)、勝木翔平(大阪大学)
プログラム】(簡略版)
13:00-13:05 | 開会の辞:西尾 禎治(大阪大学) |
13:05-13:45 | 講演1「PHITSの概要とその医学物理応用~データサイエンスとの接点を探して~」 講師:佐藤 達彦 先生(大阪大学・RCNP、原子力機構) |
13:45-14:25 | 講演2「Geant4/PTSIMの紹介と完全モンテカルロシミュレーションの役割」 講師:阿蘇 司 先生(富山高等専門学校) |
14:25-15:05 | 講演3「診断分野の医療データサイエンス」 講師:古徳 純一 先生(帝京大学) |
15:20-16:00 | 講演4「生成AIの最新動向と新しい活用」 講師:永田 毅 先生(明治学院大学) |
16:00-16:40 | 講演5「日本の医用画像データで医療AI/創薬AI革新を起こす」 Changhee Han (カリス) 先生(カリスト株式会社) |
16:40-17:20 | 講演6「AIと切り拓く未来のマルチモーダル診療」 講師:土井 健太郎 先生(医薬基盤・健康・栄養研究所) |
17:20-17:25 | 閉会の辞:豊川 秀訓(高輝度光科学研究センター、放射線分科会幹事長) |